【ラブソングを木村昴が語る】「とびきり甘〜いのから苦いものまで。日本語RAPのラブソングを特集!」【HIPHOP HOORAY VOL.16 ヤングジャンプ公式】
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【ラブソングを木村昴が語る】「とびきり甘〜いのから苦いものまで。日本語RAPのラブソングを特集!」【HIPHOP HOORAY VOL.16 ヤングジャンプ公式】

『ヒプノシスマイク』で山田一郎役も務める声優界一の“ガチなヘッズ”な木村昴の日本語RAP連載!

前回の“泣ける日本語RAP”に続いて、今回のテーマはラブソング。ただ愛を歌うだけではない、その背後の世界観や作風の違いが深いです!

木村 昴 きむら すばる:1990年6月29日生まれ。ドイツ出身。『ドラえもん』ジャイアン/剛田武役、『輪るピングドラム』高倉冠葉役等を担当。『ヒプノシスマイク』ではイケブクロ・ ディビジョン代表Buster Bros!!!を率いる山田一郎役。天才劇団バカバッカを主宰。ラッパーとしても『フリースタイルダンジョン』にも出演していたラッパー・掌幻と“掌幻と昴”として活動中。

※本記事は週刊ヤングジャンプ2020年47号に掲載された内容をnote用に一部改変して収録しました。

とびきり甘〜いのから苦いものまで。日本語RAPのラブソングを特集!

ヒップホップというとワイルドだったり、ハードな世界をイメージする人も多いと思うんですが、ラブソングも多いんですよ。やっぱり愛は人類普遍のテーマなので……愛は……

——……遠い目で格好つけなくていいんで話を進めましょう(笑)。

あれ(笑)? じゃあ王道中の王道から行きましょう。ZEEBRA『Perfect Queen』!

『Perfect Queen』:ZEEBRAの3rdアルバム『TOKYO'S FINEST』(2003年発表)

——アルバム『TOKYO'S FINEST』収録のラブソングですね。

中学生の時に聴いて“大人!”って思った曲ですね。恋人もいなければ、イタリアンも行ったことのない中坊に、かなり大人の世界を見せてくれました。僕より下の世代になると、イタリアンだと“おいしいパスタ作ったお前”なんですよ

——湘南乃風の『純恋歌』ですね。

だけど俺の世代でイタリアンは『Perfect Queen』の

“好きなメシだって同じイタリアン/チーズ好きなんてマジピッタリじゃん”

ってリリックなんですよね

——そして最後の“愛してる結婚しよう”ですよね。曲の中でプロポーズするなんてZEEBRAさんだから格好つくというか。

そして相手を“クイーン”って呼べるっていう芯の強さも、男として憧れますよね。Roger and the Zapp『I Want to Be Your Man』をサンプリングして、ジブさんと今井了介さん、DJ KEN-BOさんのプロデュースチーム・FIRSTKLASが手掛けたメロウなトラックもめちゃくちゃ最高。中学生の昴少年に、この曲の真似して、いもしない彼女を想像してラブソングを書かせただけの魅力がある曲ですよ

——妄想ラブソングはヤバい!

ワイヤードのイヤホンを片耳ずつ分けて、そこで『Perfect Queen』を流すっていうリリックを書いた覚えがありますね(笑)

——AirPodsなき時代のリリック(笑)。

そういうラグジュアリーな世界と真逆だと感じるのは、5lackさんの『Feelin29 feat. Kojoe』。

——元AKB48の秋元才加さんと結婚を発表したPUNPEEくんの弟で、ユニット・PSGのメンバーとしても活躍しました。

『Perfect Queen』は南の島でバカンスみたいな、壮大で浮世離れした感じなんですが、この曲は仕事や生活で目まぐるしく過ぎていく日常の中で恋人との関係性を描く曲で。距離感も乗用車の運転席と助手席ぐらいの感覚だから生々しく感じるし、現代を生きる人達の、劇的ではない、普通のラブソングというか。

でも、その中にある情緒だったり、等身大の世界が素敵で、リアリティを感じる人も多いと思います。内容的にも、過去に過ちがあったのかな、喧嘩したのかな、もしくはもう別れていて過去を思い出してるのかな……その結末は最後に分かるんですけど、そういう色んなドラマを想像させるし、甘酢っぱいじゃなくて、激苦いラブソング。5lackさんのフロウやラップも当然心地よくて、ラブソングにはもってこいな声質だと思いますね。そして、5lackさんとも近しいC.O.S.A.さんの『Girl Queen』は、チルの極みのラブソングですね

『Girl Queen』:2017年リリース、C.O.S.A.の2ndアルバム『Girl Queen』のタイトルチューン

——愛知は知立市を地場にするラッパーです。

この曲は映画の『ゴッドファーザー』感というか、マフィアのボスのラブソングというか(笑)、フレーズにギャング味があるんですよね。でもそれに嫌味がないし、オシャレな雰囲気がしっかりある。情景の書き方がシネマティックで、想像力を刺激するリリックだからだと思うし、聴いてると映画のヒーローやヒロインになったような気になるんですよ。フックの

“Girls/地球が回る/クイーンを中心に世界が回る/美しすぎてああ目が回る/男は夢中で争い出す”

っていう、スケールのデカさと粋な感じは、JAY-Zの歌詞にあってもおかしくないような雰囲気。しかも何重にも意味を被せてたりラップ的にも複雑で、とにかく格好いい大人の男の世界を感じる1曲ですね

最後までお読みいただきありがとうございました!次回もお楽しみに!

撮影◎門嶋淳矢
取材・文◎高木“JET”晋一郎

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