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【キングギドラを木村昴が語る】「HIPHOPとの出会いとキングギドラを語る!」【HIPHOP HOORAY VOL.8 ヤングジャンプ公式】

『ヒプノシスマイク』でも活躍の、声優界イチのガチなヘッズ・木村昴の日本語RAP連載!

今回はカラーの特別編ということで、HIPHOPとの馴れ初めとその時期に出会ったマスターピース、キングギドラの『UNSTOPPABLE』について語ってもらいました!

木村 昴 きむら すばる:1990年6月29日生まれ。ドイツ出身。『ドラえもん』ジャイアン/剛田武役、『輪るピングドラム』高倉冠葉役等を担当。『ヒプノシスマイク』ではイケブクロ・ ディビジョン代表Buster Bros!!!を率いる山田一郎役。天才劇団バカバッカを主宰。ラッパーとしても『フリースタイルダンジョン』にも出演していたラッパー・掌幻と“掌幻と昴”として活動中。

※本記事は週刊ヤングジャンプ2020年29号に掲載された内容をnote用に一部改変して収録しました。

HIPHOPとの出会いとキングギドラを語る!

僕は7歳までドイツで過ごしたんですが、日本に来る飛行機に乗るときに買って貰ったCDに、MCハマーの『U Can't Touch This』が入ってて、そこでヒップホップと出会ったんですよね。そして日本で住み始めた街の商店街にレンタルCDショップがあって、そこではレンタルが終わったCDが、シングルは20円、アルバムは50円で売ってたんですよ

——安すぎますね(笑)。

友達が駄菓子屋でうまい棒を買うなか、僕はCD買ってましたね(笑)。そこで洋楽のヒップホップはもちろん、アース・ウィンド・アンド・ファイアーみたいなソウルやディスコとも出会ったし、スチャダラパーや「DA.YO.NE』のEAST END×YURI、ニトロマイクロフォンアンダーグラウンド、リップスライム、餓鬼レンジャー……

とにかく色んな日本語ラップにも出会ったんですね。
特に小学校高学年から、ジャイアンの声優を始めた中学生ぐらいの時期は、ひたすら中古CDをディグりまくって、500枚以上手に入れたんじゃないかな。それが今でも糧になってますね

——時期的にも日本語ラップがブームになった00年代中盤だからリリースも多いし。

全く知識もなかったんで、音源とリリックとブックレットから、“ヒップホップにはグループとかクルーがあるのか”“曲を作り変えるのがリミックスなのか”“この曲って聴いたことあるな……あ、サンプリングって別の曲の一部を使うことか!”って、聴きながら知識を蓄えていった感じですね。何しろ本を買うよりCD買う方が断然安かったんで(笑)。もう気分はインディ・ジョーンズですよ。化石の断片を繋ぎ合わせて、“こういう恐竜だったんだ!”みたいな

——“オジロザウルスだったんだ!”とか。

お、上手い(笑)。そうやって誰に教わるわけでもなく、ディグって世界を広げていった感じですね。その中でとにかく衝撃だったのは、キングギドラの『UNSTOPPABLE』

『UNSTOPPABLE』:2002年4月にリリースされたキングギドラのメジャーデビューシングル。日本語ラップムーブメントの狼煙となった1作。

——『フリースタイルダンジョン』でもオーガナイザーを務めるジブラさんに加えて、Kダブシャインさん、DJOASISさんによるユニットが、2002年にリリースした曲ですね。

まずライミングが衝撃でしたね。日本語で踏める韻の可能性がそこで刻み込まれたっていう。例えばジブラさんのヴァースで

“韻と韻が成す不滅のシンフォニー/月火水木金土日/これぞ王道突き進むキングの道”

ってパートがあるんですが、とにかくライミングが気持ちいい!

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 しかも“シンフォニー”っていう格好いい言葉と“キングの道”っていう力強い言葉の間に、“金土日”っていう普通の言葉で韻を踏むことで、“キングの道”っていう言葉が更にキワ立つんですよね。そうやって緩急をつけることで、ぐっと詩に深みが出るって事を知って。しかもその後も、“リアリティ”“ファンタジー”“何馬身?”って踏みまくっていって

——日本語と英語の韻がシームレスに繋がってますね。

Kダブさんも“演技じゃねえ”“チェンジザゲーム”“権利だけ”“電磁波で”“戦士立て”……うわ、5つも一気に踏んだ! みたいな。しかもKダブさんのパートは言葉も難しくて、小学生は辞書引きながら聴いてましたね。ラストとか

“テーマはもう人間対マシーン/オレらの踏む韻に限界無し”

ですから

——もうSFですよね(笑)。

でも今になると“これは予言だったんじゃないか!?”って思うんですよ。“確かにAIが韻を踏んだりするけど、人間はそれを超えて韻が踏めるはずだ……”みたいな(笑)。『ヒプマイ』が始まってからジブラさんと対談させていただいたときに、“ギドラが日本語で韻が踏めることを証明したから、あとは好きに広げてよ”って言ってもらった時は嬉しかったな……。その意味でも自分の原点であり、胸に刻まれた1枚ですね

最後までお読みいただきありがとうございました!次回もお楽しみに!

撮影◎門嶋淳矢
取材・文◎高木“JET”晋一郎

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